遡及空間

中村 岳

熊野の土地は神の繋がりを感じる。人と自然と信仰の距離が近い。 神道の特徴を、小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)が指摘したのは、西洋的な神と人が契約関係にないから、西洋的な意味で宗教としての実体がない。ぼくの作品は彫刻ではない。 空中に自由に絵を描きたいと思い作品を作る。空中をキャンバスに見立てて、縦横無尽に絵を描く。自然とのダイレクトの繋がりを意識している。絵描きは常に枠組みで切り取って空間を認識している。絵画とは二次元の中に三次元を表す幻のようなものである。空虚なものの大切さを感じる。

ぼくは絵描きです。だから、ぼくの作品は彫刻ではありません。空中に自由に絵を描きたい。あらゆる場所での挑戦。ぼくにとって木材は絵具のようなものです。だから木材に色を塗り、空間をキャンバス(画面)に見立てて、縦横無尽に絵を描いています。最近感じるのは、ぼくが立体作品を作っていることより、未だに絵画の造形意識に支配されていること。ペインティングするように、直感的に身体を動かしていること。木材を使った作業が、絵筆を扱うように自在であり、ぼくには最も適している。

作品


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