回想 Retrospective

岩塚一恵

回想

ここは30 年以上閉鎖されていた駅員室です。室内で目を凝らすと所々にかつての様子を物語る痕跡が眠っています。記憶を呼び起こす「時の堆積」を見つめ直しながら制作された駅員室の中に巡る糸の群れは、潮風を浴びるこの駅に発想を得て、漁師網を想起しながら手編みされたものです。暗くなると光を蓄え自ら発光します。眠っていた駅員室が今まさに再活動を始めた象徴になればと願っています。