水面(みなも)

お弁当のおかずの脇に添えられている、しょうゆ・ソースなどを入れた小さな容器の
名称を知っていますか?その容器は「タレ瓶」と呼ばれ、魚型のものは特に「醤油鯛」
という名が付けられています。普段の生活の中では、魚型タレ瓶を気にかけることは
ほとんどありませんが、改めてそのフォルムや顔の表現などを観察してみると、その
可愛らしさから、親近感がわいてくるのではないでしょうか。今回の駅舎におけるイ
ンスタレーションでは、この魚型タレ瓶を大量に用いて、きのくに線の車窓に広がる
海を表現します。駅舎内の窓ガラスや壁面にちりばめられたカラフルな「サカナ」た
ち。この作品空間は、海の水面に映る様々な色彩・表情の美しさ、海の生き物の種の
多様さとその生命力を伝えます。そして、きのくにの海の広がりは未来に向けての可
能性を表し、水面のきらめきは、この土地や人々が持っている魅力的な面を象徴して
います。この駅舎で、きのくにの海を感じてみましょう。