南洋パノラマ

林 憲昭

かつて田並はアメリカ村とも呼ばれていました。その裏にはオーストラリアやアメリカなど海外へ出稼ぎに行った方々の活躍があり、彼らがもたらす富と文化で、ここ田並の町も賑わい、海外の文化を見てきた人々は、地元での教育にも熱心になったそうです。かつて旧田並小学校がまだ木造の校舎だった頃、南洋館と称する建物が校舎内の一角に建っていました。そこには、田並から各地に移民に出かけた人々が持ち寄った様々なものが展示されていました。
南方の動物の剥製や、民族的なお面などの工芸品など、当時の子供達はそれらの展示物を見て、海の向こうにどんな夢を抱き、どんなことを想像したでしょうか?そんな南洋館の展示物を見て、海の向こうの様々な世界を想像する子供達のイマジネーションを作品として表現しました。